大判例

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千葉地方裁判所 昭和38年(ワ)104号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決要旨〕土地賃貸借につき期間一〇年の約定は法律上無効で、その存続期間は法律上三〇年となり、又、賃料の支払を一回でも怠つたときは、賃貸借契約は解除される、というような約定は、賃料支払義務履行の確保を必要とする具体的事情が存在する場合において、始めて、有効なそれとして、是認せられるべきものと解するのが相当である。

〔判決理由〕原告は、昭和九年七月一日、訴外牧野新之丞に、その所有に係る本件土地を含む土地一五八坪八合六勺を、期間一〇年、賃料は毎月当月分を前月末日までに前払する、賃料の支払を一回でも怠つたときは、賃貸借契約は解除され、直に、明渡を為す等の約定で賃貸したことが認められ、この認定を動かすに足りる証拠はなく、而して、期間一〇年の約定は、法律上無効であるから、それは、期間の定のない賃貸借契約であり、従つて、その存続期間は、法律上、三〇年となるものであり、又、賃料の支払を一回でも怠つたときは、賃貸借契約は解除されるという様な約定は、賃貸借における基本関係であるところの信頼関係を維持するために、賃料支払義務履行の確保を必要とする具体的事情が存在する場合において、初めて、有効なそれとして、是認せられるべきものであると解するのが相当であるところ、右契約締結の当時、右のような具体的事情の存在したことを認めるに足りる証拠は全然ないのであるから、右契約における右約定は、賃貸借契約における信義則に照し、不当な約定であつて、法律上、無効のそれであると解するのが相当であると認める。(田中正一)

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